ユーザーの悩みの「自分ごと化」がコンテンツ作りの鍵。サイトで提供する情報の軸を決める大切な視点
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先輩メディア:ディーエムソリューションズ株式会社さん
「常に時代が求める「つなぐ」を提供し、絆を創る 人と組織をつなぎ、価値と利益を創造する」を理念としたWEBマーケティング企業です。企業のコンサルティングを行うと同時に、自社でもメディア運営を行っています。
・運営サイト
サイトの構成やコンテンツを決めるとき、ユーザーの検索意図を想像するだけでなく、もしサイトを使うのが「自分だったら」という視点で考えてみることも大切です。自分視点で考えると、悩みの内容や知りたい情報がより具体的になり、結果的にユーザーに寄り添ったコンテンツが提供できるからです。
ディーエムソリューションズ株式会社の黒澤さんは、自分が商品を検索しているときに直面した不便な経験を生かして、「CRABELナイトブラ」のサイトを運営しています。自分が欲しい・良いと思う情報をサイトに取り入れていくことで、ユーザーの共感を得られ、ファンの獲得や収益化につながっています。
「自分の悩み=ユーザーの悩み」で検索意図の理解が深まる
まずは「CRABELナイトブラ」のコンセプトを教えてください。
CRABELナイトブラは、バストケアに興味がある女性をターゲットにしたサイトです。「ナイトブラでバストケア」を軸にブランド別の商品レビュー、年代や悩み別のおすすめ商品、バストケアの基礎知識に関する情報を発信しています。
バストに関しての悩みがある方、ぼんやりと「バストケアしたい」と思っている方、ナイトブラについて詳しく知りたい方など、どんな方にも役立つサイトを目指しています。
自分が欲しい情報を形にしたGIF画像や用語解説
疑問や悩みの自分ごと化や実体験は、コンテンツ作成でどのように役立っていますか?
レビュー記事に記載する情報、写真の撮り方や編集の仕方の工夫、コラムの企画案に生かされています。
例えば、レビュー記事だと、ナイトブラ選びで悩んでインターネットで着用の体験談を探したとき、肌触りや伸縮性を想像できる情報が少ないと思ったことがありました。ナイトブラは肌に触れるものなので、素材や質感・着心地を知ったうえで購入したいと思ったのに、私にとって一番重要な情報がなかったのですね。
私自身ナイトブラを選ぶとき、伸縮性は重要なポイントだと思っています。伸縮性が強すぎると、着用に時間がかかってしまい、また寝苦しさや着心地が悪くなることもあるからです。実際、買って届いた商品を着てみると「想像と違った……」とガッカリした経験もあります。
この経験からCRABELナイトブラのレビュー記事では、伸縮性や素材の質感をテキストと写真で詳細に伝えるように心がけています。自分自身がほしい情報を入れたレビュー記事、バストの悩みに関する記事や年代別の記事から送客に繋がっているので、「自分ならどんな情報がほしいか」という視点はサイト運営に役立っていると実感しています。
素材の質感や伸縮性を詳細に伝えるための工夫を具体的に教えください。
素材の質感は、「つるつる」「さらさら」などの擬音語を使って感触を伝えるようにしています。ただ、文章だけで伝えるのは難しいので、画像で細部を紹介するのも大切なポイントです。写真は、布の特殊な構造が見えるよう編集で明るくしていて、縫い目やタグの位置も確認できるようにアップで撮影しています。一眼レフカメラを使用し、マネキンを使ってさまざまな角度から撮影し、複数のカットを掲載しています。
質感や構造が伝わるようアップで撮影した写真
引用:CRABELナイトブラ
伸縮性は静止画では伝わりにくいので、GIF画像を作成して掲載するようにしています。商品を手で引っ張ってみてどれくらい伸び縮みするかが伝わりますし、各商品の伸縮性を比較しやすくなるため、GIF画像は効果的だと思います。
また、商品のレビューに偏りが生まれないよう私自身が着るだけでなく、他の人にも着用してもらい感想を聞いてサイトに反映させています。バストサイズや、年代や体型・肌質は人によって異なるため、複数人が実際にナイトブラを着用して多角的な意見を取り入れた記事をつくることで、ユーザーが参考になる情報を増やせるようにしています。バストの悩みは人それぞれなので、さまざまな視点の感想を追加できれば、もっとユーザーに寄り添ったサイトをつくっていけると思っています。
生地の伸縮性をGIF画像で伝えている
引用:CRABELナイトブラ
コラム企画のアイデアはどのような体験から生まれたのですか?
私の商品情報を見ていて抱いた不安がきっかけで、ナイトブラの専門用語の解説コラムの作成に至りました。ナイトブラの商品情報には「クーパー靱帯」や「バージスライン」という言葉が出てくるのですが、私にはなじみがなく、一般的にもあまり使われない言葉だと思います。それなのに専門用語について詳しく説明しているサイトがあまりなく、きちんと理解できないことを不安に感じていました。商品の購入に踏み出せない理由のひとつでもあったので、CRABELナイトブラで解説コラムを作成することにしました。
ほかにサイト運営で工夫していることを教えてください。
自分が欲しいと思った情報を増やしていくと、サイトに記事数が増え煩雑になってしまいます。サイト内でユーザーが欲しい情報にたどり着けなかったら意味がないので内部リンクの設置を意識しています。
自分で記事を読んだ時に、「このタイミングでこの記事へのリンクがあったら助かる」という個所に内部リンクを設置したり、TOPから各カテゴリー一覧へつながるリンクを貼ったり、分かりやすい導線を意識しています。
内部リンクの設置を検討しながら記事を見直していると、新規記事のアイデアが生まれることもあります。ユーザーの読みやすさという点でも、新しいコンテンツ案の気づきになる点でも、内部リンクを考えることは大切だと感じています。
記事中に「合わせて読みたい」という見出しで他記事への内部リンクを挿入している
引用:CRABELナイトブラ
まずは一人に満足してもらうサイト作りを目標に
悩みや疑問の「自分ごと化」を重視してコンテンツを作ったサイトの運営状況はいかがですか?
最初はサイトを見てくださるユーザーの方が少なく、自分のこだわりがプラスに働いているか分からない時期もありました。次第に見てくださる方が増えて、収益にも繋がってきた時、やってきたこと、やりたかったことは間違っていなかったと実感できました。
商品情報を詳細に書いたり、関連情報を紹介したりしている点に関しては、ユーザーが何か深く知りたくなったときにCRABELナイトブラ内で答えが見つかっているからこそ、離脱することなく数多くの方がナイトブラの購入までつながってくれているのだと思います。ただ、まだ改善ができると思っているので、ひとつひとつの記事を大事にして手を加えて行きたいです。
サイト改善のために取り組んでいることを教えてください。
ナイトブラの新商品情報は随時チェックしています。常に新しい情報へのアンテナを張り巡らせる中で生じる疑問がコンテンツ作りに役立つからです。
また、日頃からいろんなサイトを見るようにしています。内容を真似ることはありませんが、サイトの構成や導線・見せ方などを勉強しています。特に、自分のサイトと近しいジャンル特化のサイトや記事数の多いサイトを見ることが多いです。例えば、脱毛研究室やウォーターサーバー研究室、育毛研究室、WiMAX研究室など、研究室シリーズで展開している出版社系のメディアや、パーソナルジムNAVI、ウォーターサーバーNAVIなどを新聞社系のメディアを参考にしています。
最後にサイト運営にこれから取り組む方へのアドバイスをお願いします。
CRABELナイトブラは、自分の悩みがサイト開設のきっかけとなっています。私自身、アフィリエイトの経験は豊富ではないので、慣れていない場合はこういった切り口からジャンルを選んでチャレンジしていくのも良いと思います。
そうするとユーザーの悩みを自分の問題としてとらえられ、ユーザーに寄り添ったコンテンツが提供できるようになります。
サイトはユーザーの役に立って初めて収益に繋がります。まずは「自分と同じ悩みを持つ一人に満足してもらえる質を目指そう」くらいの目標でも充分なので、一歩一歩経験を積んで、その知識をサイトに活かしていけば自然とより良くなるはずです。