コロナ禍が収束しつつある中で、私たちの生活もようやく通常に戻ってきている現在。
その変化は消費行動にも反映され、旅行業界も再び活況を見せています。外出の機会が多くなったことで旅行の計画を立てたり、もしくは実際に行った方も多いのではないでしょうか。
旅行業界はアフィリエイト広告の中でも人気ジャンルであり、多くのメディアが取り組んでいます。
今回のコラムでは、アフィリエイトサービスを運営するA8.netが、旅行業界のアフィリエイト広告の概況や掲載メディアの特徴など気になるポイントをまとめてご紹介します。
旅行関連のサービスを扱う企業のマーケティング担当者の方や、アフィリエイト広告への出稿を検討している方はぜひご覧ください。
旅行系ジャンルとアフィリエイト広告の関係性
アフィリエイト広告とは
アフィリエイト広告とは、WEB広告と言われるプロモーション方法の1種です。
メディア(=媒体、アフィリエイター)が作成したブログや比較サイト、SNSなどに掲載されている広告をクリックしたのち、広告主サイトのサービス・商品に対し申込み・購入といった特定のアクションを行うことで成果が発生します。広告主はその成果に応じてASP経由でメディアに報酬を支払う流れとなっています。
アフィリエイト広告は、「成果報酬型」で「第三者訴求」ができるインターネット広告です。
広告の表示やクリックではなく成果報酬型の課金形態となるため、コストをコントロールした運用が可能です。そのため知名度の高い大手企業のサービスから、リリースして間もない新サービスまで、幅広い広告主にとって導入しやすい広告といえます。
旅行ジャンルにおけるアフィリエイト広告
アフィリエイト広告において旅行ジャンルはメディアからの人気も高く、需要期には1サイトで数千万円規模の売上となるケースもある大きな市場となっています。
ここで言う旅行ジャンルとは、国内外のホテルや航空券、新幹線チケットなどのWEB予約・販売サービスを指します。現在A8.netでは、60以上の旅行関連のプログラムが稼働しています(2024年5月時点)。
上記のプログラムは2020年~2022年前半頃、コロナ禍による海外への渡航制限や外出自粛などで縮小気味となっていました。しかし徐々に制限が解除され、現在はコロナ禍以前と同等、あるいはそれ以上に過去最高の売上を記録するケースも増えています。
旅行事業を展開する株式会社JTBが発表した「2024年の旅行動向見通し」によれば、2024年の国内旅行者数は2019年と同程度まで回復、海外旅行者数は、対前年152.6%まで回復すると予想されています。まさに旅行業界にも明るい兆しが見えてきたと言えるでしょう。
出典元:JTB広報室 2024年(1月~12月)の旅行動向見通し(参照 2024-05-10)
旅行ジャンルがアフィリエイト広告と相性がよい理由
ではなぜ旅行ジャンルはアフィリエイト広告で人気市場となっているのでしょうか。
アフィリエイト広告はメディアが運営するサイトやSNSに掲載されないことには始まりません。ここでは旅行ジャンルがメディアに支持される(=掲載されやすい)代表的な理由を5つ、ご紹介します。
需要期が多い
年末年始や夏休み、ゴールデンウィークなど、旅行ジャンルは需要期となるイベントが多いため、メディアとしても新規参入するタイミングが豊富にあります。
例えば、おせちや年賀状といった特定のシーズン商品であれば、年末年始が過ぎてしまうと来年まで大幅な成果獲得は難しい可能性があります。しかし旅行ジャンルであれば年末年始の次は春休み、その次はゴールデンウィークといったように次々に需要期が訪れるため、より安定した収益獲得が見込めるのです。
WEB申し込みが主流である
マーケティング調査機関のMMD研究所によれば、旅行予約をする際に最も利用する方法という設問に対し、「オンライン」が76.6%で最多となっています。
出典元::MMD研究所 旅行予約サービスに関する調査(参照 2023-11-10)
さまざまな旅行プランを手軽に比較できるオンライン上での申込みは、ユーザーにとって利便性が高く、今後もこの傾向は続くことが予想されます。
アフィリエイト広告はプログラムごとに成果報酬を支払うタイミング(=成果地点)を広告主が任意で設定可能となっており、多くの旅行サービスプログラムはWEB上での宿泊予約が成果地点となっています。
そのため、オンライン上の申込みが主流となっている旅行予約サービスはコンバージョンに繋がりやすい環境が揃っているのです。
行き先ごとに記事作成できる
旅行ジャンルは行き先ごとにコンテンツを横展開して作成できるため、メディアにとってはいわば「ネタが尽きる」ということが起きにくい点もメリットです。
例えば「沖縄のおすすめホテル◯選」記事を作成した場合、同様なパターンで北海道、大阪、京都…といった形で次々とコンテンツを作成できます。
都道府県ではなく、市区町村レベルでエリアを絞っていけば、競合サイトを減らすことも可能なため、サイトの規模感や狙いたい収益性などに応じて戦略的にサイト運営しやすいこともメディアに支持されています。
旅行を軸に別商材も紹介できる
旅行ジャンルは旅行予約サービスだけでなく、複合的に別の商材も紹介することができます。
例えば旅行者向けの国内旅行保険や海外旅行保険、ポケットWiFi、レンタカーなど、旅行という切り口に対してさまざまな商材を紹介できるため、メディアにとっては売上を組み立てやすいという特徴があります。
おすすめのホテルとその旅行予約サービスを紹介する記事に、「レンタカーも予約するならここがおすすめ!」といったように紹介もできる親和性の高さは旅行ジャンルならではです。逆を言えば、他ジャンルのサイト内で旅行予約サービスを紹介することもできます。
旅行ジャンルで主に掲載されるメディア
では具体的にアフィリエイト広告ではどのように旅行系ジャンルが掲載されているのでしょうか。ここでは主な掲載メディアをまとめています。
ポイントサイト
ポイントサイトとは、自社サイトそのものにユーザー会員を抱えており、提携先のECサイトやWEBサービスなどに申込みを行うことで会員にポイントが還元されるという特徴を持ったメディアです。
ポイントサイトの会員は普段のネットショッピングとほぼ同様に買い物をするだけでポイントを獲得し、現金や電子マネーなどに交換できます。ポイント還元をフックにすることでコンバージョンが発生しやすいことがポイントサイトの大きな強みです。
旅行ジャンルはポイントサイトの定番と言える立ち位置で、さまざまな提携先が用意されています。ホテルや航空券の予約はトータルで数万円以上の購入金額となることも多く、なるべくお得に旅行を楽しみたいというユーザーニーズから、年間を通して安定した集客が期待できます。
ポイントサイトによっては貯めたポイントをマイルに交換可能なサイトもあります。マイルを使って新たに旅行をするサイクルが生まれることで、高い継続性と売上に繋がります。
クーポンサイト
クーポンサイトとはさまざまなECサイトやWEBサービスのお得なクーポンやセール、キャンペーン情報を集約したサイトです。
こちらはポイントサイト同様にユーザー会員を抱えているケースもあれば、通常のWEBサイトとしてSEOによる検索流入を主体としている場合もあります。
いずれの場合もクーポンという付加価値によってコンバージョンが発生しやすい点が特徴です。各サービスのクーポンコードが記載されており、そのコードを購入時に入力することでユーザーは割引や特典を受けることができます。
ポイントサイトが購入後にポイントが還元されるのに対し、クーポンサイトはすでに購入前の時点で割引されて決済完了します。旅行は1回の購入金額が高額になりやすいため、「その場で安くなる」ことはユーザーからの申込みを大きく後押しできます。
旅行予約サービスの場合、各社がほぼ同時期に販促展開を行うことが多いため、クーポンサイトの旅行ジャンルでは、情報のスピード感や正確性が重視されます。また、各サービスのクーポン取得方法を図解で具体的に紹介し、コンバージョン率を高めるといった施策も行われています。
大手比較サイト
大手比較サイトは旅行予約サービスに限らず、転職サイトやクリニック、化粧品まであらゆる商品やサービスを独自の調査で比較・紹介しているサイトです。
大手比較サイトはSEOによる検索流入において非常に強力な集客力があり、さまざまなジャンルの記事で上位掲載し、コンバージョンに繋げています。
旅行ジャンルにおいては「旅行サイト おすすめ◯選」のような各社サービス単位での紹介もあれば、「沖縄のおすすめホテル」といった実際の宿泊施設を紹介する場合もあります。綿密な調査の上でサービスを紹介するため記事の完成度が非常に高く、掲載されること自体がユーザーに対する安心感に繋がることもあります。
旅行特化型サイト
旅行特化型サイトは大手比較サイトと同様に、検索流入を主としたメディアです。しかし大手比較サイトよりも、さらに要素を付け加えることで、よりニッチな検索ユーザーを獲得できます。
例えば「〇〇県内の旅館やホテルをエリア別に紹介」といった地域を限定するケースや、「ペットと一緒に泊まれる宿を紹介」のようなターゲットを限定するようなイメージです。対象となるターゲットユーザーを絞り込むことで、大手比較サイトでは獲得が難しい領域をカバーできます。
口コミ・体験型サイト
口コミ・体験型サイトは主に個人運営のブログメディアなどがメインとなっています。
「〇〇に旅行に行ってきた!」といった切り口で実際の旅行先の様子や宿泊施設を紹介し、利用したサービスを紹介することでコンバージョンを狙います。
特化型サイトよりもさらにニッチなエリアやターゲットになるため獲得数は少ないものの、ユーザーの細かいニーズを満たすことでコンバージョン率は比較的高くなりやすい傾向があります。
旅行アフィリエイト成功の秘訣
最後に旅行系ジャンルでのアフィリエイト広告出稿について成功の秘訣となるポイントを5つご紹介します。
自社サービスの特徴をアピールする
さまざまな旅行予約サービスの中からメディアに取り上げてもらうには、自社サービスの特徴やセールスポイントを的確に伝える必要があります。
旅行ジャンルにおいては大々的にテレビCMを放送するなどで知名度を獲得しているサービスなどもあるため、それらといかに差別化していくかがポイントです。下記のような要素があればLPやプログラムの紹介文に掲載し、メディアにアピールしていきましょう。
- 従来の旅行費用の◯%OFFといった低価格要素
- 別荘やスイートルームなど贅沢な旅行がテーマの高品質要素
- スキー・スノボ宿専用や、ペット可のホテルのみ、といった特化要素
- 「旅行のテーマごとに探せる」などのユーザー体験要素
上記はあくまで例ですが、競合他社などを見ながら適切なポジショニングを取ることで、知名度が少なくとも売上を上げられる可能性があります。
自社の立ち位置を分析するにはSTP分析を行うこともおすすめです。
ポイントサイトを積極的に活用する
前段でも紹介したように、旅行ジャンルはポイントサイトと相性がよく、いわゆる「ポイ活」の代表格とも言えます。
ポイントサイトは、100万人以上の会員を保持しているメディアも珍しくなく、掲載するだけでリーチ数が大きく増加する可能性があります。
記事作成などの工数が不要なため、基本的には(打診→新規掲載)までの調整もスムーズに進みやすいメディアです。実際に掲載している旅行予約サービスも多いので、まずはポイントメディアを中心に掲載してみるのがおすすめです。
具体的な会員数や会員の属性情報などは各ポイントサイトによって異なるため、掲載したい場合はASPの担当者に確認しておくとよいでしょう。
時期ごとにトレンド感を出す
旅行ジャンルは需要期となるイベントが多いため、その都度タイミングに合わせたLPやクリエイティブを使用することで、メディアから紹介されやすくなり売上増加も期待できます。
LPは年末年始であれば年越しキャンペーン、夏休みであればリゾート地の宿泊プランをメインに紹介するなど、計画的に準備をしておきましょう。実際にタイムセールやイベントごとにLPやバナーを変更する広告主は多いです。
また、独自のクーポンや政府の旅行支援に関する情報などがあると、ユーザーの申込みが増えやすく、メディアとしても最後のひと押しに案内しやすくなるので有効です。広告物を更新した際はニュース配信などでメディアに周知するのがよいでしょう。情報共有が早いほど、広告効果も高まりやすくなります。
成果承認はなるべく早めにする
アフィリエイト広告では、発生した成果を広告主が承認することで、はじめてメディアへの報酬支払いが確定します。
この承認作業は平均的には成果発生から最大1ヶ月前後で行われることが多いのですが、旅行ジャンルではその商材特性上、成果承認まで2、3ヶ月以上かかるケースも珍しくありません。
成果認否に時間がかかるのはある程度仕方ありませんが、半年以上などあまりにも承認が進まないと、メディアが離れてしまう可能性もあります。宿泊確認が取れた成果はなるべく早めに承認するようにしましょう。
メディアにも旅行してもらう
アフィリエイト広告には自己アフィリエイトという制度があります。自己アフィリエイトとは、アフィリエイト活動をするために自分自身で商品やサービスを申し込むことで報酬を受け取ることができる仕組みで、A8.netではメディア会員限定の機能「セルフバック」として提供しています。
アフィリエイト広告は実際にサービスを利用したリアルな感想を記事化することで売上に繋がりやすくなります。自己アフィリエイトを活用し、メディアに自社サービスを利用してもらうことも売上増加の手段として覚えておきましょう。
新規顧客獲得にも繋がりやすいため、知名度の低いサービスの場合やリリースして間もないサービスの場合は特におすすめです。
A8.netではセルフバックの成果報酬と通常の成果報酬を分けて管理することも可能です。メディアからの利用を促進したい場合は、セルフバックの成果報酬を引き上げる方法も有効です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本コラムでは、「旅行」のジャンルに注目し、アフィリエイト広告の運用方法を紹介させていただきました。
コロナ禍を乗り越え、再び活況となってきた旅行業界において、より集客効果を最大化させるためにアフィリエイト広告を検討される企業様は増えています。
アフィリエイト広告における直近の旅行業界や実際の掲載先など詳しいご相談も随時承っております。ぜひお気軽に資料請求ください。