アフィリエイト広告を取り扱うプラットフォームであるASPでは、様々なジャンルの商材を取り扱っていますが、その中の人気ジャンルに「資格」ジャンルがあります。
近年コロナ禍での在宅時間が増えたことで、資格取得への興味関心が高まっており、それに付随してアフィリエイト広告においても多様な資格取得の通信講座やスクールなどが参入しています。
このコラムは資格系の商材・サービスを取り扱う企業担当者やマーケティング担当者向けに、掲載されるメディアの特徴、資格ジャンルでのアフィリエイト広告成功の秘訣を紹介しています。
「アフィリエイト広告での資格関連市場の動向を知りたい」
「自社の資格商材はどのように掲載されるのか知りたい」
といった方はぜひご覧ください。
アフィリエイト広告とは
アフィリエイト広告とは
アフィリエイト広告とは、WEB広告と言われるプロモーション方法の1種です。
メディア(=媒体、アフィリエイター)が作成したブログや比較サイト、SNSなどに掲載されている広告をクリックしたのち、広告主サイトのサービス・商品に対し申込み・購入といった特定のアクションを行うことで成果が発生します。広告主はその成果に応じてASP経由でメディアに報酬を支払う流れとなっています。
アフィリエイト広告は、「成果報酬型」で「第三者訴求」ができるインターネット広告です。
広告の表示やクリックではなく成果報酬型の課金形態となるため、コストをコントロールした運用が可能です。そのため知名度の高い大手企業のサービスから、リリースして間もない新サービスまで、幅広い広告主にとって導入しやすい広告といえます。
アフィリエイト広告における資格ジャンル
資格ジャンルはアフィリエイト広告の中でも様々なサービスが展開されており、弊社A8.netでも500件以上のプログラムが稼働しています。
申込み対象の資格についてもバリエーションは幅広く、下記を一例に多ジャンルに展開されています。
- ビジネス系
- ファイナンシャル・プランナー(FP)、簿記、宅地建物取引士(宅建士)など
- 趣味・特技系
- ネイリスト、インテリアコーディネーター、ハンドメイド作家など
- 難関資格系
- 司法書士、行政書士、社会保険労務士、看護師など
ASPで取り扱っているプログラムの中にはニッチな資格や検定の講座も随時追加されており、アフィリエイト広告は資格ジャンルにおける集客方法の1つとして有効です。
資格ジャンルがアフィリエイト広告で広がっている理由
資格ジャンルはメディアからの人気も高く、月間で数百万円規模、もしくはそれ以上の売上を出すメディアも見られます。まさにアフィリエイト広告の得意ジャンルといえる領域です。
集客に繋げるにはメディアの掲載面を増やすことが不可欠ですが、その点資格ジャンルは取り組みメディア数も一定数見込めるため、比較的掲載が進みやすいと言えます。
ではなぜ資格ジャンルはメディアからの人気が高いのでしょうか。ここではメディア側の視点に立って3つの理由を紹介します。
オンラインで完結できる
日本経済新聞(※)の記事によれば、通信教育のユーキャンは、感染拡大が深刻化した2020年3月中旬から利用者が増え始め、同年4〜11月の受講生数は前年比で3~5割多い水準にまで達しました。これまで通勤時間や取引先に出向くために使っていた時間で、自身の知識やスキルを磨くスタイルが定着しつつあります。
こうした中で、資格ジャンルのプログラムのほとんどは資料請求や講座申込がオンライン上で完結しており、ユーザーの申込みハードルを下げる役割を果たしています。
来店や来校するタイプのサービスの場合、感染状況等の変化によっては企業側の新規申込み受付が停止する可能性がありますが、オンライン完結であればほとんど影響なく運営を続行できるということもあり、メディアの収益安定化の面においても支持されています。
引用元 : 日本経済新聞「「コロナ禍で高まる資格人気 注目講座と稼ぎ方は?」 」, (参照 2023-01-20)
承認率が高い
広告主がメディアに支払う成果報酬は(成果地点)+(成果報酬金額)の2つで構成されています。例えば『新規資料請求500円』のような形です。その中で広告主が正当な成果として承認した成果のみ、メディアに報酬が支払われます。
資格ジャンルで展開されている商材・サービスの多くは「資料請求」や「無料相談」など、ユーザーのファーストアクションを成果地点に設定しており、集客したユーザーが成果承認されやすくメディア収益に繋がりやすいことが特徴です。
メディアにとって承認率は非常に重要で、自サイトに掲載するプログラムの選定基準になることも多い指標です。平均承認率が高ければ取り組むメディア数も増えやすくなります。
- 承認率
アフィリエイト広告経由で発生した注文に対し、広告主が正当な成果として承認した割合。確定率とも呼ばれる。
またファーストアクションではない「講座の申込み」や「教材購入」を成果地点にしているプログラムでも、承認率は70%~80%前後で推移しているプログラムが多く、ユーザーの質が高いことも魅力の1つです。
記事を書きやすい
資格ジャンルは初心者から上級者まで、メディアが記事を書きやすいことも特徴です。例えば、実際のコンテンツは下記などが挙げられます。
コンテンツ例
- 初心者
- 『実際に申込みしてみた』といった教材の紹介記事どんなものが届くのか等、前提知識がなくてもチャレンジできる
- 中級者
- 資格保持者による体験コンテンツ実際の資格取得者による勉強法や、具体的な仕事内容を交えた記事
- 上級者
- 様々な資格サービスを網羅した比較記事資格サービス各社の特徴や料金トータルで比較、ユーザーに合ったサービスを提案する
資格ジャンルは単なる商品の購入ではなく、資格やスキルを身につけることがユーザーのゴールになるため、様々な訴求の切り口で記事作成していくことが可能です。
資格ジャンルで主に掲載されるメディア
次に、資格ジャンルで主に掲載されるメディアの特徴をご紹介します。
資格総合サイト
資格総合サイトは様々な資格・検定取得サービスを包括的に取り扱い、情報を見やすくまとめたサイトです。
記事は各資格の難易度や勉強法や合格点など細かいテーマで記事を網羅しており、これから資格取得に向けて必要な情報をまとめて見ることが可能です。サイト自体のコンテンツボリュームがあり、運営元が法人化していることも珍しくありません。
集客方法は主にSEOによる検索流入がメインとなっていて、「(資格名)+難易度」や「(資格名)+合格率」など、様々なキーワードで自サイトに誘導しています。
資格ジャンルのサイトに関しては情報の説得力が求められるため、現役の税理士や行政書士などの監修の上、記事を作成しているケースもしばしば見られます。有力メディアであれば企業側にインタビューを行い、サービスの強みや特徴をより具体的に紹介しているケースもあり、企業とメディアが二人三脚となって訴求を行うこともあります。
ポイントサイト
ポイントサイトとは自社サイトに会員を抱えているメディアであり、会員はポイントサイト経由で提携しているECサイトやWEBサービス、サロンなどに申込みを行うことで、会員に一部ポイントが還元される特性を持っています。ポイントはAmazonギフト券やマイル、現金などに交換できます。
資格ジャンルのサービスであれば、「講座申込で500ポイントプレゼント」や「講座申込の料金×5%」といった形で展開されるケースが多く見られます。会員に付与されるポイント数は基本的にポイントサイト側で管理しており、いわば成果報酬の一部を会員側とポイントサイト側で折半しているようなイメージです。
会員は普段のネットショッピングとほぼ変わらずにポイント獲得が可能で、お小遣い稼ぎ感覚で利用できることから他メディアよりも申込みに繋がりやすいことが特徴です。
獲得過多で人員のリソースがない場合や、いたずら、不正申込みの増加が不安な場合は還元ポイント数や獲得数に上限を設定してコントロールすることも可能です。
ポイントサイトについて詳しく知りたい場合は下記コラムをご覧ください。
個人ブログ
個人ブログとは、個人メディア本人がサイトの運営を行っているメディアです。
資格ジャンルにおいては「(資格名)+勉強」や「(資格名)+参考書」などの資格名関連のニッチキーワードや「〇〇試験+独学」などやや訴求の目線をずらしたキーワードでSEOから集客するケースも見られます。資格総合サイトのように複数の資格を包括的に扱うというよりは、1つの資格に特化して掲載している場合が多いでしょう。
資格ジャンルでは資格や検定そのものが多岐に渡り情報がばらけてしまう分、各々の経験や体験談がユーザーにとって貴重な情報となります。そのため個人ブログからの集客も非常に重要です。資格総合サイトのような大型メディアに注力するだけでなく、中小規模のメディアの掲載数を増やすことも意識しておきましょう。
個人ブログの運営者の中には現役の税理士やネイリストといった資格保有者など、発信する情報の信憑性をアピールしたサイトもあれば、これから勉強する、もしくは「〇〇資格勉強中!」といった触れ込みで読者と同じ目線で一緒に資格取得を目指すコンセプトのサイトもあります。
ここ数年ではSNSを併用しSEOとSNSの2軸の集客を行う個人ブログも増えており、複数の流入経路を持つメディアが主流になりつつあります。流入経路が多ければより安定した送客に繋がるため、掲載先の参考指標の1つにすることもよいでしょう。
資格アフィリエイト成功の秘訣
最後に資格ジャンルにおいてアフィリエイト広告を実施する場合の成功ポイントを4つご紹介します。
競合他社を把握する
資格ジャンルはプログラムが多様なため、どのプログラムを競合としてベンチマークするかが重要です。
まずは下記の点で自社サービスの特徴を洗い出し、サービス単位で競合他社を見つけましょう。
- 何の資格、検定に対するサービスか(ターゲット層)
- サービス対象はその資格のみか、複数扱っている資格のうちの1つか
複数の場合、扱っている資格に特徴はあるか(難関資格・国家資格・医療系など)
競合他社のプログラムが見つけられたら、最低限下記は確認しておくとよいでしょう。
- 成果報酬(どの成果地点か+成果報酬金額はいくらか)
- 成果条件(どの場合に成果承認するのか)
- 否認条件(どの場合に成果否認するのか)
- ※成果条件に該当し、かつ否認条件に該当しない注文がメディアの成果となる
すでに競合他社が先に参入している場合、後発でも掲載面を獲得するためには他社プログラムの把握は必須です。後発であることの利点を活かし、メディアを惹きつける報酬設定を行いましょう。
難易度に合わせた報酬設定にする
メディアの掲載面を増やしていくためには、プログラムの申込み難易度に応じた報酬金額を設定し、難易度に対する掲載のうまみをメディアにアピールする必要があります。
成果地点が資料請求や無料相談などであれば高額な成果報酬を設定する必要がありませんが、公認会計士や司法書士といった難関資格や国家資格、または創設されて間もないニッチな資格などは受験するユーザー自体が少なく、獲得が難しい可能性があります。
メディアに「このプログラムを掲載したい!」と興味を持ってもらうためには、難易度の高い資格にはなるべく成果報酬を高めに設定することがおすすめです。
資格の難易度によって教材の金額を変えている場合は「購入金額に対して◯%」といった定率型の成果報酬を設定するとよいでしょう。
需要期を逆算して施策を打つ
資格試験の数ヶ月前や年度始めなど、一部の資格によっては一定の時期で申込みが増える需要期が存在します。需要期に伴い、関連したキーワードの検索ボリュームも大きくなるため、検索ユーザーの取りこぼしを防ぐには、需要期前に掲載面を確保しておく必要があります。
一般的にSEOで集客を行うメディアが新たに記事作成し、検索結果に安定して表示されるには1~3ヶ月前後の時間を要します。アフィリエイト広告は掲載期間が長いほど掲載メディア数も徐々に増えていく可能性が高いため、最低でも需要期の1~3ヶ月前には掲載開始しておくことが理想的です。
また、獲得の需要期が過ぎたら新規メディアの獲得に注力するなど、次の需要期のための仕込みの期間として有効活用することで売上を更新していく体制が整っていきます。
有力メディアには積極的な連携を
資格ジャンルは比較的取り組みメディアが多い傾向があるものの、集客効果の高い有力メディアは競合プログラムとの掲載枠の取り合いが激しくなります。
前提として自社サービス内容のブラッシュアップはもちろん重要ですが、有力メディアには通常よりも上乗せした成果報酬(=特別報酬)を設定したり、インタビューといったコラボコンテンツで独自情報を提供するなど、他のメディアとの優位性を与える施策を打つとよいでしょう。
有力メディアと積極的に連携を取って関係値を構築しておくと、自社サービスのキャンペーン周知に協力してもらえたり、掲載強化の交渉が進みやすくなります。メディア側として広告主との関係値は重要であり、例えば競合他社からの掲載交渉があった際、既存の関係値を重視して掲載枠を守ってくれるといったこともあります。
メディアに関する競合他社の掲載状況はASP担当者に確認することで詳細を把握しやすくなります。ASP担当者と協力しながら最適な施策を練っていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本コラムでは、「資格」のジャンルに注目し、掲載メディアの特徴やアフィリエイト広告の運用方法を紹介させていただきました。
A8.netでは資格関連やスキルアップ系の掲載先はもちろん、様々な資格取得の支援事業者様にもご登録いただいており、運用事例も含めたご紹介や、個別でのご相談も受け付けております。
まだ導入に迷っている、という方もぜひお気軽に資料請求ください。