
【広告主向け】アフィリエイト広告で実施できる施策9選
- 2022/08/30
このコラムでは、アフィリエイト広告を導入することを検討している方に向けて、実施できる施策をまとめてみました。
「自社商品の売上を更に伸ばしたい」
アフィリエイト広告への考え方
アフィリエイト広告とは
まずアフィリエイト広告について解説していきます。
アフィリエイト広告とはWEB広告の1種です。
主なアフィリエイト広告の収益の仕組みは、ユーザーがブログや比較サイト、SNSなどに掲載されているメディア(=媒体、アフィリエイターとも)の広告をクリックし、その後広告主サイトのサービス・商品に対し申込みや購入といった特定のアクションを行うことで成果が発生します。広告主はその成果に応じてASP(Affiliate Service Provider)経由でメディアに報酬を支払う流れとなっています。
アフィリエイト広告は、掲載やクリックのみでは広告費が発生しないため「成果報酬型広告」と呼ばれています。広告主にとっては無駄な広告費を抑え、少ないリスクで始めることが出来ます。またメディアとしてはASPに無料登録したのち、自身のWEBサイトやSNSに広告素材を掲載する形式となるため気軽に始めやすい点も特徴です。
アフィリエイト広告は「ほったらかし」ではいけない
アフィリエイト広告の導入を検討しているEC担当者の中には時折「ASPに掲載すればメディアがプログラムを見つけて記事作成し、掲載面が増えていく」と考えている人もいますが、これは一部間違いです。
もちろん誰もが知っているような大手企業やすでにシェア率の高いサービスであればそのようなケースも考えられますが、多くの場合、まずは商品を知ってもらい、徐々に掲載面を広げて売上を作っていくという流れが必要で、そのためには適切なタイミングで適切な施策を打っていくことが重要になります。
ある程度の掲載面が確保されるまでは随時施策を講じながら掲載メディアを増やしていくことを目指しましょう。
アフィリエイト広告は大器晩成型
アフィリエイト広告は提携メディアを増やし、記事を書いてもらうという流れを汲む必要があるため、ASPにプログラムを掲載してからすぐに成果を獲得することは難しい傾向にあります。
しかしプログラムを継続していけば提携メディア、掲載メディアは増加していきます。実際にアフィリエイト広告で大きく成果を上げている広告主は、比例して5年10年と長期的にプログラムを継続しているケースもよくあります。
最低でも3~6ヶ月以上を基準として、アフィリエイト広告は中長期的に売上を作っていく広告手法だと認識しておくことをおすすめします。
アフィリエイト広告で出来ること(認知UP施策)
ではアフィリエイト広告の概要・前提を理解した上で、実際にどのような施策を打つことができるのでしょうか?
まずは「新商品や新サービスリリースのため認知度を上げたい」といった認知拡大を目的とした施策をご紹介します。
アフィリエイト広告を通じて認知拡大を行う際は、メディアに掲載される数を増やしていく事が欠かせないステップとなります。
1.自己アフィリエイト
おすすめ時期:プログラム稼働時
自己アフィリエイトとはメディア自身が実際にプログラムの商品やサービスを申し込んで成果報酬を受け取ることができる制度となっています。
基本的に新商品などの商材はまだ一般認知が低い状態です。商品の魅力を広く普及するには、メディア自身にユーザーになってもらうことが一番の近道となります。メディアに実際のユーザー体験をしてもらうことで、より記事の具体性が増し、成果に繋がりやすくなります。
メディアは「一人暮らし男性向け」「子育てママ向け」など様々な観点に特化したサイトを運営しているため、それぞれ独特な観点で記事作成していきます。中には予想していなかったジャンルのサイトから売上が出ることもあり、自社商品の新たなニーズ発見に繋がる可能性があることも魅力です。
また、メディア自身にとっても商品やサービスを通常より安く購入することができるため、申込みのハードルが下がるといったメリットがあります。アフィリエイト広告に掲載する際には是非実施しておきたいポイントです。
2.商品提供
おすすめ時期:プログラム稼働、キャンペーン実施、新商品発売時など
商品提供を行うことも認知拡大の方法の一つです。
先程の自己アフィリエイトと異なる点としては、
- ・メディアに対して成果報酬が発生しない(商品提供のみ)
- ・広告主側で配布メディアの選定ができる
という点が挙げられます。
自己アフィリエイトはメディア自身が申込みを行うことで成果報酬が発生するため、成果報酬の金額によっては少なからず報酬目的のみで申し込むメディアも一定数います。そういったユーザーを増やすのは避けたい、といった場合には商品提供のみを行いメディアを選別することで、より温度感の高いメディアのみにレビューを依頼できるメリットがあります。
募集方法としては提携メディアにお知らせを配信し希望者を募ったり、ASPの担当者に依頼しメディアを集めてもらうなどがあります。後者の場合、売上の大きいメディアなどに繋がる可能性も高くなります。
その他にもA8.netでは「レビュー募集プログラム」という制度があり、こちらは募集から作成記事の報告までA8.net側で一括管理することが可能です。もし気になる方はぜひお問い合わせください。

- レビュー募集プログラム
- 広告主様がレビュー記事を募集しているプログラムをまとめています。 ご応募いただき、選考通過しますとレビュー用の商品を無料提供! 早速、募集中プログラムをチェックしてみましょう!
3.クーポン配布
おすすめ時期:キャンペーン実施、商品リニューアル、セミナー実施時など
例えば物販などの商品でカートシステムを使用している場合はクーポンコードをメディアに配布するといった方法もあります。新規顧客獲得や顧客単価アップなど、用途に応じて使い分けることで掲載を広げつつ求めるユーザーを集客することが出来ます。
新規お試しクーポンコードをメディアに配布したり、商品リニューアルと合わせて共有することでメディア理解を深め、掲載拡大・記事のアップデートを目指していきましょう。
クーポンのメリット・デメリットなどの詳しい解説は下記のコラムでも紹介していますのでぜひご覧ください。
4.新規掲載ボーナス
おすすめ時期:プログラム稼働時
新規掲載ボーナスとは予め設定したキャンペーン期間中に成果発生したメディアのうち、過去に成果発生歴がない新規掲載のメディアに対し単発のボーナス報酬を上乗せする制度です。
単発のみとなるため特別報酬(一部メディアの成果報酬を通常報酬より上乗せして設定すること)の適用よりも広告費を抑えた形でメディアに掲載促進することができます。特別報酬は社内決裁が下りにくいが掲載メディアは増やしたい、といった場合には新規掲載ボーナスがおすすめです。
5.メディア向けセミナー
おすすめ時期:プログラム稼働、商品リニューアルなど随時
こちらはやや趣向が異なりますが、セミナーをメディア向けに行う方法もあります。
多くのメディアはまずプログラムの紹介文やLP、会社のHPなどを元に記事を作成します。しかし限られた情報の中では紹介するポイントが同じようになってしまうケースがあるため、メディアは差別化できる訴求やPRポイントのヒントを求めています。セミナー実施で商品のことを深く知ってもらうことで新たな記事作成の糸口となるでしょう。
またセミナーに参加したメディアに商品提供や特別報酬、記事作成ボーナスなどの特典を組み合わせることで、セミナーの参加者数増加やメディアのモチベーション向上などの効果も期待できます。セミナーに参加するメディアは比較的記事作成への温度感が高い傾向にあるため、フックとなる要素はぜひ用意しておきましょう。
アフィリエイト広告で出来ること(売上UP施策)
続いて売上増加施策についてご紹介します。
「掲載メディアがある程度増えてきたので、売上を更に伸ばしたい」といった場合は検討してみることをおすすめします。
1.報酬アップキャンペーン
おすすめ時期:プログラム稼働、商品リニューアルなど随時
報酬アップキャンペーンはキャンペーン期間中の成果報酬を通常より引き上げる制度です。キャンペーン期間、報酬金額はあらかじめ広告主側で設定でき、ASPによってはキャンペーン期間の延長なども相談可能です。自己アフィリエイトでキャンペーンを実施するケースもあります。
キャンペーン期間中はメディアが該当プログラムを優先的に掲載強化する可能性が高まります。強化してくれたメディアを逃さないためにも、LP内導線のチェックやこまめな成果承認の実施などは意識しておきましょう。
注意点として、キャンペーン報酬金額の上げ幅があまりにも少額だったり、キャンペーン期間があまりにも短い場合はメディアの反応が薄くなってしまう影響があるため、適切な相場感、実施期間などはASP担当者と相談しながら進めていくのがおすすめです。
2.特別報酬の設定
おすすめ時期:商品リニューアル、予算増加など随時
特別報酬(特別単価、特単)は一部のメディアに対し通常報酬より上乗せした報酬金額を適用させることを指します。報酬アップキャンペーンが提携メディア全体に適用されるのに対し、特別報酬は適用するメディアを指定できるため、獲得数が多いメディアや送客の質がいいメディアなどに限定して設定できることが大きな違いとなります。
報酬アップキャンペーンの金額を終了後も適用するケースや、(◯件発生した場合は◯円)のように前月の獲得件数を元に翌月の特別報酬を決定するテーブル制特別報酬を設定するケースなどもあります。
ただし、ただ単に特別報酬を設定するだけでは、広告主側の広告コストが上がるのみになってしまいます。そこでメディアに対し特別報酬をフックに掲載強化の交渉を行う(=特単交渉)が必要になっていきます。一般的な特単交渉の流れとしては下記となっています。
検討可能な特別報酬、もしくは許容CPAなどの条件をASP担当者に共有
↓
上記条件を元にASP担当者がメディアに掲載強化の交渉
↓
交渉成功の場合は強化実施、特別報酬の適用
特単交渉は1回のやり取りでスムーズにいかないケースもあるため、広告主とメディア双方にメリットのある着地点を探すことが重要です。ASP担当者とすり合わせながら進めていきましょう。
3.ポイントメディアへの掲載
おすすめ時期:プログラム稼働、獲得件数鈍化時など
冒頭でお伝えしたように、アフィリエイト広告は徐々に掲載メディアを増やしていくことで成果獲得を目指す中長期的な広告のため、初動は獲得件数が伸びにくい傾向があります。
プログラム稼働直後から件数獲得を目指す場合はポイントサイトへの掲載が有効です。
ポイントサイトとは自社で会員を抱えたメディアとなっており、会員がポイントサイトを経由して広告主のサービスを利用することで会員にポイントが付与されるという点が大きな特徴です。一見すると複雑なようにも思えますが、通常のメディアに掲載する際と手順はほぼ変わらず、ポイントサイト側で成果報酬の一部をポイントとして会員と折半している点が主な違いとして挙げられます。
ポイントサイトによっては数百万単位の会員を抱えており、会員がそのまま広告主のユーザーとなるためASPに掲載して間もない状態でも獲得が期待できます。一部不正やいたずらなどの注文が含まれるデメリットはあるものの、プログラム稼働の初速を引き上げる強い味方となり得ます。
4.SNSメディアへの掲載
おすすめ時期:プログラム稼働、商品リニューアル時など
プログラム稼働直後のスピーディーな獲得、という意味合いではポイントサイトと同様にSNSメディアへの掲載も有効です。
SNSメディアとは(YouTube、Instagram、Twitter、Tiktok)など、各種SNSをメインにアフィリエイト広告の集客を行うメディアです。商材の相性や投稿内容などがうまく噛み合えば瞬発的に拡散される場合もあり、一気に集客に繋がる可能性を秘めています。また、その拡散力から認知拡大にも効果が期待できるのも大きな魅力となっています。
ただしもちろん必ずしも獲得できるという訳ではなく、また長期的な集客も難しい傾向にあるため、あくまで単発的な施策として認識しておきましょう。
SNSメディアについてはインフルエンサーマーケティングとして下記コラムなどで詳しく紹介しています。各SNSでの成功事例も掲載しているのでぜひ合わせてご覧ください。
アフィリエイト施策を実施する際のポイント
最後に、これまでご紹介した各施策を実施する上でのポイントをご紹介します。
目的を明確にする
まず施策を実施してテコ入れするにあたっての目的を明確にしておきましょう。
認知拡大なのか、売上増加なのか、そのために提携メディア数を増やすのか、現状のメディアから獲得を増やすのかなど施策実施のための軸を決めておくことで最適な施策を判断しやすくなります。
現状の自社商品の状況を振り返り、次の指針を精査していきましょう。
指針を決めかねる場合は「カスタマージャーニー」を作成することがおすすめです。
カスタマージャーニーの基礎、作成方法については以下のコラムで紹介しています。業界・業種問わず、マーケティング担当者なら必ず理解しておくべきともいえる内容ですのでぜひご覧ください。
実施期間、目標件数、CPAなどを定めておく
ただなんとなく闇雲に施策を進めると、施策結果が成功か失敗か分からずうやむやになってしまう可能性があります。最低限(実施期間、目標件数、CPA)は必ず設定しておきましょう。
特にキャンペーン期間のある施策などで効果が見えず延長、さらに延長…と繰り返していくとメディアの反応も鈍くなります。仮に効果が上がったとしてもそれがキャンペーンによるものか外部要因によるものなのか判別が難しくなってしまう可能性もあるので注意が必要です。
CPAを含めた指標の考え方については下記コラムで詳しく紹介しています。
ASP担当者と連携する
メディアへの交渉単価の相場感や施策の実施時期など、判断が難しい場合や情報が不足している場合はASP担当者に相談することで解決できる場合があります。
ASP担当者は広告主とメディアの意見を取り入れた上で、最適な着地点を調整するポジションでもあり、より緊密な連携が獲得強化への近道となります。ASP担当者と二人三脚で施策を打ち出していくことで、アフィリエイト広告のポテンシャルを最大限引き出していきましょう。