
【AIDMA/AISASとは?】最新の購買行動モデルとあわせてご紹介
- 2022/01/20
- 2023/11/17
「消費者はどんな気持ちで商品を選んでいるかわからない」
「消費者がどのように購買に至るのかイメージできない」
このように感じた経験はありませんか?
環境の変化や日々利用しているサービスによって購入までの道のりは人それぞれ。消費者の購買行動の理解は、マーケティング活動を行う上で必要不可欠です。
そのような消費者の購買に至る流れを可視化したものが、AIDMA(アイドマ)やAISAS(アイサス)といった「購買行動モデル」です。
購買行動モデルは時代に合わせて様々な種類が存在しています。
そこで今回はマーケティング・プロモーション担当者の方に向けて、購買行動の種類・消費者の購買心理・これからの時代で重要になる施策について解説していきます。
購買行動モデルの種類
購買行動モデルとは消費者が商品やサービスを購入・利用するまでの道のりを一つのフレームワークとしてモデル化したものです。
まずは代表的な購買行動モデルであるAIDMA、AISAS、そしてULSSASをご紹介します。
AIDMA(アイドマ):マス広告時代の購買行動モデル
AIDMAはインターネットが普及する前のマス広告時代にサミュエル・ローランド・ホールが提唱したモデルです。消費行動におけるフレームワークの中でも、特にベースとなる考え方と言われています。
- Attention(認知)
- Interest(興味)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶)
- Action(行動)
それぞれ上記のの頭文字を取ってAIDMAと名づけられています。
詳しく見ていきましょう。
Attention(認知)
Attentionは「注目」という意味です。マーケティングにおいては、商品やサービスの存在を認知する段階となります。
ユーザーに購入されるためには、まず購入の選択肢に入らなければなりません。したがってテレビCMや新聞などのマス広告やWEB広告を活用し、自社製品のことを知ってもらうことから始めます。商品名を連呼するテレビCMなどは、まさにAttentionの段階です。
Interest(興味)
Interestは「興味、関心」という意味があります。広告などをきっかけに自社製品に興味を持ったユーザーは、その製品の詳しい情報を求めます。
Interestでは、企業は自社製品の特徴をブログやHPで公開するなどで、購入することのベネフィットを紹介します。近年では無料のお役立ち資料の配布や、ウェブセミナーを開催する企業も増えています。
Desire(欲求)
Desireは「欲求」という意味です。Interest段階で受け取った詳細情報をもとに、ユーザーは自分にとって必要かどうかを検討します。
Desireにおいては、具体的な使用イメージを膨らませる施策が有効です。サンプル品・トライアル版の配布や営業担当者とのコミュニケーションなどで、さらに深い情報提供を行います。
Memory(記憶)
Memoryは「記憶」という意味のとおり、ユーザーの記憶に残り続ける必要があります。というのも、ユーザーは欲しいと思っても即座に購入することはそう多くありません。「いつか買おう」と思い、時間が経って忘れてしまった経験は誰しもあるはずです。
Memoryの段階では、ユーザーの温度感を下げないことが重要です。メルマガやDM、チラシなどで定期的に情報を送り続けましょう。小売店であれば店内のディスプレイやPOPを使い、ユーザーの視界に入る頻度(=接触回数)を増やすことも有効です。
特に、近年マーケティングの課題として挙げられるのが、Memory(記憶)です。多くの商品がある中で、いかに消費者の記憶に残るマーケティングができるかでその後のAction(購買行動)も変化していきます。
Action(行動)
Action段階では「行動」、つまりユーザーは購買に動き出します。とにかくユーザーがスムーズに購入できる環境を整えます。購入ページのUIや導線をわかりやすくしたり、購入プランや決済手段を複数用意するなど、ユーザーがいかにストレスなく購入できるかを考える必要があります。
AISAS(アイサス):インターネット時代の購買行動モデル
AISASはAIDMAより後に提唱され、インターネット時代における購買行動を表しています。AIDMAとの大きな違いは、Search(検索)という行動が、商品購入までの道のりで必要不可欠となったことです。
- Attention(認知)
- Interest(興味)
- Search(検索)
- Action(行動)
- Share(共有)
それぞれ上記の購買行動の頭文字を取ってAISASと名づけられています。Attention(認知)、Interest(興味)まではAIDMAと同じです。
ここでは、AISASから新たに追加されたSearch(検索)、Share(共有)を詳しくご紹介します。
Search(検索)
製品を認知し、興味を持ったユーザーは検索行動を取ります。
具体的にはブラウザやSNS内での検索を活用し、製品に関する詳細や口コミ、評判などを調べます。何かを購入する前にその商品の口コミを検索した経験は、誰しもあるでしょう。
逆に検索時の情報が不足していると、ユーザーは購入を躊躇してしまいがちです。そのため企業側はHPでの補足情報の追加や、第三者のWEBサイトへの掲載依頼などを行い、情報網を張っておく必要があります。十分に情報を受け取ったユーザーが購買に踏み切ります。
Share(共有)
晴れて購買行動に至ったあと、ユーザーは購入品の使用感や感想をSNSや口コミサイトなどにシェアします。
外部調査では、「商品・サービスの購入時、インターネット上の口コミが購入決定に影響する割合は約55%※にのぼると言われています。そのため近年は「シェア」に対する企業の注目度が高まっています。購入完了画面や注文メールなどにレビュー依頼を促すことがおすすめです。
消費者は興味を持った商品を購入する前に、第三者による口コミや他商品との比較記事などを参考にしてAction(行動)、つまり購買へと移っていきます。さらに、購入した商品をWEBサイトやブログで第三者に情報共有するというところまでが、インターネット時代における消費行動の大きな特徴となります。
※引用元:マイボイスコム株式会社『ネット上の口コミ情報に関する調査(第6回)』,(参照 2023-11-10)
ULSSAS(ウルサス):SNS時代の購買行動モデル
ULSSASはInstagramやTwitterなどの、SNSを活用した購買行動を表しています。SNS特有の拡散やいいねなど、第三者同士のコミュニケーションが購買行動と結びついている点が大きな特徴です。
- UGC(ユーザー投稿コンテンツ)
- Like(いいね、お気に入り)
- Search1(SNS検索)
- Search2(Google/Yahoo!検索)
- Action(購買行動)
- Spread(拡散)
それぞれ上記の頭文字を取ってULSSASと名づけられています。
UGC(ユーザー投稿コンテンツ)はSNSを通じて一般の消費者によって投稿される、商品の感想や画像、口コミなどが該当します。
AISAS(アイサス)と異なる点は、検索を行う前に一度SNSの中で商品をチェックする点です。いいねの数やリツイートなどを指標として、商品の良し悪しを判断する消費者が増加している傾向があります。
さらに実際に購入した本人がUGCを生み出し、新たに消費者の認知のきっかけをつくるといった循環型になっている点も、ULSSASの特徴です。
ULSSASについては以下のコラムで詳しく解説しています。
消費者の購買行動の変化と最新状況
ここまで、AIDMA・AISAS・ULSSASと各時代で生まれた購買行動モデルを通して、マス広告やSNSによって消費者の行動も大きく変化していることがわかったと思います。
では、なぜこのように消費者の行動が変化しているのか、深掘りしていきます。
購買行動の移り変わり
インターネットが登場する以前は新聞や雑誌の広告・街中のポスター・ラジオ・テレビなどマスメディアが中心の世の中でした。情報の収集手段は限られており、家族や友人、販売員など比較的狭いコミュニティからの情報をもとに商品の取捨選択を行っていた時代です。
その後インターネットが世の中に普及したことで、消費者が自ら能動的に情報を収集するようになりました。GoogleやYahoo!を中心とした検索エンジンを誰でも活用することができる時代になったことで、企業と消費者の距離がより近くなりました。
さらにSNSの台頭も購買行動に大きく影響を与えています。
InstagramやX(旧Twitter)を利用するユーザーは年々増加しており、誰でも簡単に商品に関する情報を発信できます。現代ではあらゆるメディアを活用して簡単に情報収集できる一方で、情報過多にも陥っています。そのため、消費者にどのように正しい情報を伝達するかが課題となっています。
行動変化の背景と消費者心理
消費者の購買行動の場所がマスメディアからインターネットに移行してきた大きな背景として、インターネットによる情報収集の手軽さ考えられます。企業からの一方的な発信情報提供に頼るのではなく、検索行動によって消費者は慎重に商品やサービスを購入するようになりました。
「本当にこの商品は安全なのか」「購入するには情報が不足している」といった心理状況の中でのインターネット普及は、消費者を助ける革新的なインフラになったと言えるでしょう。
そして、インターネット時代からSNS時代への変化は、スマートフォンが開発されSNSアプリが流行したことが大きな理由です。Instagramは全世界で10億人以上が利用しており、検索するよりも手軽に情報を発信・取得できるようになりました。
日々のタイムラインで商品の口コミや写真が自然と目に入るようになり、私たちはこれまでの時代背景からは巡り合うことの出来なかった世界中の情報に触れています。
そのため、SNSを活用し事前にリサーチを行ってから店舗へ訪れたり、商品を購入するようになっています。「自分にとって一番有益なものは何か?」を消費者が自ら選ぶ時代、つまり消費者から企業が選ばれる時代へと突入しています。
RsEsPs(レップス):最新の体験型購買行動モデル
最後にRsEsPs(レップス)という購買行動モデルをご紹介します。
- Recognition(認識フェーズ)
- Experience(体験フェーズ)
- Purchase(購買フェーズ)
RsEsPsでは、認識・体験・購買と3つのフェーズで購買行動が分かれていますが、それぞれのフェーズで検索・共有・拡散という行動が行われます。
AIDMAやAISASなどと大きく異なる点は「体験」というフェーズが購買において重要視されている点です。購入する前に自分の手に取りたい、実際にサービスを利用してみたいなど、消費者が購入後のイメージを膨らませたあとに購買のアクションに踏み切るようになっているのです。
そのため企業側は、認識や体験が行われたあとに検索・拡散される仕組みを戦略的に設計していく必要があります。
RsEsPsを活用した例としては、出前館が挙げられます。
RsEsPsを活用したマーケティング戦略を設計するために、自社商品の強みや訴求ポイントを洗い出し、消費者に向けてどのような施策を実施すれば良いのか一度検討してみましょう。
消費者理解を効率的に深めていくにあたって、まずはペルソナを作成することをおすすめします。
まとめ:時代にあわせた適切な顧客理解をしよう
本コラムでは時代変化における購買行動モデルの種類や、購買行動が変化している背景について解説しました。
購入するまでの行動は日々時代とともに変化しています。より効果的にマーケティングを行っていくためにも、消費者がどのような行動をとって購買までたどり着くかを認識することが非常に重要です。
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